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たばこがEDの原因に?

喫煙率

皆さんはたばこは吸いますか?たばこ産業の「2017年全国たばこ喫煙者率調査」では成人男性の喫煙率は平均は28.2%でした。これは最も喫煙の高った1966年の83.7%と比べると55.5ポイントも減少しています。
男性の年代別で見てみると20代が22.8%、30代は32.1%、40代が36.7%、50代が35.1%、60代以上では21.2%の喫煙率です。「昔の職場は何処でもたばこが吸えた」「電車でも吸ってる人は多くいた」などと聞きますが、今の20代の人からしたら信じられないことかもしれません。
たばこは身体に悪影響を及ぼすと知られていますが、喫煙することでEDにもなってしまうことがあります。

喫煙による健康被害

たばこの煙には化学物質が約4,000種類もあり、そのうちの200種類以上は有害物質になっており、発がん性物質は50種類以上もあります。その中でもニコチンやタール一酸化炭素は有害物質として有名です。
その他にもペンキの除去剤に使われているアセトン、アリの殺虫剤に使われているヒ素など、たばこの煙には身体に悪影響を及ぼす物質が多く含まれています。
たばこを吸うとガンになることは有名で、たばこのパッケージにも書かれています。ガン以外では心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化や高血圧、糖尿病などがあり、EDにもなってしまいます。

ニコチン

たばこに含まれるニコチンには血管を収縮させる効果があります。収縮させてしまうと、ペニスの海綿体に血液が流れにくくなり、勃起しにくくなってしまいます。
それにニコチンは依存性の高い有害物質です。ニコチンは脳内でドーパミン濃度を上昇させて快感を与えています。ドーパミン濃度が低くなると、不快感やイライラ、やる気が出ないなどの症状が出てきます。これらの症状が出ると症状を抑えるためにたばこを吸います。これを繰り返している状態がニコチン依存症です。

タール

タールは有機物質が熱分解されることにより発生する黒褐色の油状液体で、粘り気があり、フィルターや歯が茶色く変色することで確認できます。よく「ヤニ」と言われるのがこのタールです。主にニコチンを肺まで届ける役目があり、多くの発がん性物質を含んでいます。ガンのリスクを高めるだけでなく、他の健康被害にも大きな影響を与えてしまう可能性があり、注意が必要です。

一酸化炭素

一酸化炭素は身体を酸欠状態にする物質です。本来ヘモグロビンは酸素を運搬する役目がありますが、喫煙によって一酸化炭素と結びついてしまうため、慢性的な酸欠状態が起こります。このことにより運動能力の低下、動脈硬化を促進してしまいます。

加熱式たばこ、電子たばこ

喫煙者の中でも紙たばこから加熱式たばこや電子たばこに変える人も多くいます。加熱式たばこや電子タバコは紙たばこよりも有害物質は少なく、煙が出ない物もありますが、物によってはニコチンやタールを含んでいる物もあるので注意は必要です。

たばことEDの関係性

たばこを吸うと海綿体や陰茎の血管機能に異常が生じ、勃起機能が低下してしまいます。タバコを吸わない人と比べると、1日に1本~10本吸う人は1.27倍、11本~20本では1.45倍、21本以上では1.67倍もEDになるリスクが高くなると報告されています。
また、EDの方の喫煙率は約40%で、一般の喫煙率が約28%になるので、EDの喫煙者は非常に高い割合と言えるでしょう。

禁煙外来

まずは禁煙することをお勧めします。禁煙を試みた方もいるとは思いますが、たばこの離脱症状である眠気、倦怠感、イライラ、不安、集中力の低下、めまい、頭痛、不眠、便秘などが起こってしまい、禁煙に失敗した方も多くいます。そこでお勧めするのは禁煙外来です。禁煙外来は総合病院の他にも、内科、循環器科、婦人科、心療内科、耳鼻咽喉科など様々な診療科で行っています。禁煙外来では医師が、喫煙者の喫煙歴を把握した上で、禁煙補助薬の処方、治療の経過を見守ってくれます。離脱症状が起こっても診察時に相談出来るので、上手く続けていくことができ、禁煙に成功する方も多くいます。

改善方法

EDは治したいが、禁煙はしたくないという方はたばこの吸い方を変えてみるのも良いでしょう。たばこを吸うときに、深くまで吸い込まないようにし、根元まで吸わないようにしましょう。深く吸ったり根元まで吸ってしまうと有害物質が肺の奥まで入り込んでしまいます。また、たばこのタールのmg数を減らしたからと言って本数は減らさなくても良いというのは間違いです。たばこのタールの表記は目安量であって実際のたばこに含まれているタールの量ではありません。10mgと1mgの違いはフィルターが違うだけで成分量は変わらないので、たばこの本数を減らすようにしましょう。

精子にも影響

たばこを吸うと精子にも影響が出ます。たばこを吸っている人は吸っていない人と比べると精子の濃度は低下し、精子の運動率も低下します。また奇形精子率は上昇してしまいます。
たばこは百害あって一利なしと言われているように様々な病気の原因にもなるので禁煙することをお勧めします。