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Vタダスーパー処方

Vタダスーパー(V-tada super)は、ビプロ・ライフサイエンス社が製造販売する勃起不全(ED)の治療薬です。商品パッケージに “Tadalafil Tablets 20mg” とあるように、Vタダスーパーには主成分としてタダラフィルを20mg含有しています。タダラフィルとはイーライリリー・アンド・カンパニーが製造・販売しているED治療薬のシアリスと同じ有効成分です。シアリスのジェネリック医薬品Vタダスーパーの効果、効き始め、服用後の食事、副作用について詳しくお話しいたします。

シアリス(Cialis)とはアメリカのイーライリー社が製造し、日本では日本新薬が2007年より販売している勃起不全の治療薬のことで、用量としてシアリス5mg、シアリス10mg、シアリス20mgがあり、極量は1日20mgまでとされています。Vタダスーパーは先発品のシアリスとは異なりタダラフィルの含有量20mgの薬剤しか種類がありませんので覚えておきましょう。

EDと勃起のメカニズム

EDとは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態」と定義されています。現在、世界では成人男性の5~20%が中度以上のEDとの報告があり、日本では過去の調査で、1,130万人以上の男性がEDに疾患していると推定されています。高齢化の著しい日本では、今後さらに増えることが予測されています。

勃起の仕組みには一酸化窒素(NO)が関係しています。人の体の神経や細胞をコントロールしているのは一酸化窒素です。勃起の仕組みはまず、性的な興奮や感情により、NOが増えます。このNOが血管平滑筋細胞と呼ばれる血管の細胞の中に入り、環状グアノシン一リン酸(cGMP)という化学物質が合成されます。cGMPが細胞の中に多く溜まると血管が拡張し、スポンジ状の陰茎海綿体に血液が流れ込むことで勃起はおこります。射精後などにずっと勃起したままでは困りますので今度は勃起を抑える作用が働きます。cGMPは細胞内の酵素であるホスホジエステラーゼ5型(PDE5)酵素によって分解され、血管拡張効果がとまり、勃起を抑えます。

Vタダスーパーの主成分タダラフィルは勃起を抑える酵素PDE5を選択的に阻害し、陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、血流が増えることにより、ペニスが勃起し性行為が正常に行えるようになります。なお、Vタダスーパーには性欲や精子の量を増加させるような効果はありません。

Vタダスーパーの服用方法

Vタダスーパーは遅効性の効果を持つ薬剤なので身体に吸収されるのに時間が掛かるため性行為の1~5時間前に服用してください。体調によって効果の出始める時間に違いがありますので幅を持たせて服用してください。VタダスーパーなどのED治療薬は効果が安定するまで5、6錠必要なため、1度2度の服用で判断しないようにしてください。

効果時間は最大36時間といわれています。1日の服用回数は1回で連続でED治療薬を服用するには24時間の間隔を空けてください。また、水か適温の白湯で服用することも大切です。緑茶や珈琲などで服用するとカテキンやカフェインと反応し十分な効果がでないことがありますのでご注意ください。また牛乳などの脂肪分を含むものでの服用も避けましょう。胃に粘膜が張られ吸収が阻害される可能性があります。

シアリスと同様にVタダスーパーも食事の影響を受けないと勘違いされている方も多くいらっしゃいますが、正確には食事の影響を受けにくいといえます。食事の影響を受けない目安としては800kcalまでとなっています。したがって脂分の多い食事などは避けあっさりとした和食などを選びましょう。

ED治療薬は体調や心理状態の影響を受けやすく、また服用後数回は効果にムラが出ることが分かっています。一度試してうまくいかない場合でも、もうしばらく続けてみることをご検討ください。Vタダスーパーの有効成分タダラフィルは長期間服用しても身体に耐性ができるお薬ではありません。

 Vタダスーパーの服用ができない方又は使用注意の方

Vタダスーパーに限らず薬剤はすべて肝臓で代謝されます。肝臓の代謝に関するお薬を服用している方は注意が必要で、特にCYP3A4という酵素を阻害する作用のあるお薬には注意しましょう。薬が効きすぎたり、効かなかった利する可能性があります。血圧を下げるお薬を飲まれている方、特にα遮断薬はVタダスーパーも血圧を下げる作用があるため併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。また、処方できないケースとして3ヶ月以内に心筋梗塞の既往歴がある場合、6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血の既往歴がある場合があげられます。これらの既往歴がある場合はVタダスーパーを服用できません。当院へご来院の際には、併用が禁忌されているお薬を服用していないかを確認させていただくために、他に服用しているお薬がある方は必ず薬剤名をわかるようにしてからお越しください。医師の指導のもと用量・用法を守り服用するようにしましょう。